信頼できる人と共に乗るタンデムも大型バイクの醍醐味の一つに挙げられます。ハーレーでもカップルで楽しむ人は多くいますが、タンデムを行う上で気を付けなくてはいけないのが服装です。女性の中には自分は後ろに乗っているだけで運転はしないからとスカートなどのラフな格好を選択する人も少なくありません。スカートのように風でなびく服装は走行中にタイヤに巻き込まれたり運転している人の邪魔になることがあります。後ろに乗る人もライダーと同じジャケットやパンツルックを選択するのが基本です。
通常走行と違ってタンデムは1人分の重量が加わることになります。大型車のハーレーでも数十kgの重さが加わればブレーキを掛けた時の制動距離、ハンドリングの重さは段違いです。いつも通りの感覚で運転をしたことで交差点で止まり切れない、カーブを曲がれずにガードレールにぶつかるという事例は珍しくありません。タンデム走行をする時は余裕を持って停止できる距離感を掴む技術が求められます。カーブを曲がる時は自分の力だけで曲がろうとせずに、後ろの人に協力してもらうのがコツです。走行中は風の音やヘルメットによる遮音効果で会話がしづらくなります。走る前にカーブでは曲がる方向に体重を傾けるように説明をしておくことが大切です。
そのほか、タンデムでは乗り降りにも気を付けなくてはいけません。初心者ライダーはレディーファーストだからと後ろの女性を先に跨らせてしまいがちです。バイクは1人で乗ることを想定して真ん中に運転シートが配置されているので、先に後ろに体重が掛かると不安定になります。乗車をする時は運転する人が先に跨り、両足を地面に着けて安定させた状態で乗せるようにしなくてはいけません。降りる時は逆に後部座席が先、ライダーが後の順です。ライダーが跨っている状態でも不意に降りられるとバランスを崩してしまうこともあるので事前に合図を決めておくとトラブルを減らせます。